かつてリビングルームは「お茶の間」でした。
家族いっしょに食事をして、テレビを見る。
そして時々、子どもたちは宿題、大人は読書…いつも同じ部屋にいることが家族の理想とされてきました。

しかし、時代とともに家族のライフスタイルは変化して、リビングルームでの様々な過ごし方が始まりました。
そんな新しい暮らしのために「デュアルリビングルーム」を提案します。
 


 


1. リビングルームの基本3タイプ

リビングルームは「個人(家族のメンバー)が集まる場所」として定義されます。
エスでは設計の際、リビングルームを考えるためには、家族の
・人間関係や年齢
・行動時間帯
・趣味や嗜好
によって、リビングルームの位置や大きさを決めていきます。

以下、リビングルームと個室の関係についてタイプ別に見てみましょう。

① 独立型

個室の独立性をもたせた配置です。
大きめのリビングルームと、家族の人数に応じた数の個室が廊下をはさんで配置されます。

玄関から、廊下を通って直接各個室へ入ることが可能。
近代型の西洋から輸入されたこのカタチは、かつて多くの人が思い描いたマイホーム像の代表といっていいでしょう。
一般の方がはじめて間取りを描くとき、たいていこのタイプになります。部屋の数を増やすほど、廊下(動線)が長くなる傾向にあるので注意が必要です。

② 中心型

家の中心に大きなリビングルームを、その周りを囲むように個室を配置します。

個室に行くには、必ずリビングルームを通らなければいけない、という大きな特徴があります。
主要動線を兼ねたリビングルームは、必要分よりやや大きくして余裕のあるサイズにする必要があります。

個人よりも「家族全体」を重視するこのタイプは、日本の「農家造り」に起原があると考えられます。

③ 折衷型

上の2つのタイプの折衷型です。

ある特定の個室だけを独立させて、のこりはリビング中心型としてまとめます。

独立させる用途としては、書斎や夫婦の寝室、が考えられます。
または水まわりを組込んで独立した生活スペースにすることもできます。
アイディアしだいで、バリエーションが広がるタイプです。

 
以上が、いわゆる「リビングルーム」の代表的な3つのスタイルです。


2. デュアルリビングという第4のスタイル

さて、本題の「デュアルリビング」の形式を見てみましょう。

④ デュアル型

エスが提案する第4のカタチ「デュアルリビングルーム」。
適度な広さのリビングルームを2つ設ける方法です。
デュアル(dual)とは「2重」「ふたつの」といった意味。新しい暮らし方のキーワードです。

多様化する価値観。一件の家のなかでも、ひとつのスタイルに縛られない別の選択肢があってもいいんじゃないか・・と、私は考えます。

 
 
どうでしょう?
生活像が思い浮かびますか?

この考えは、決して家族をバラバラにしようとするわけではありません。

2つのリビングをうまく組み合わせて使い分けます。
2つめのリビングは、少し広い「半個室」、個人的な趣味や目的にも使える「多目的室」..そんなイメージです。
リビングがふたつあれば、子どもが個室に閉じこもってしまうことも減るかもしれませんよね。

季節や時間帯で使い分ける方法や、個人の趣味や目的で使い分ける方法など、2つのリビングルームと個室の配置組合せはは様々に考えられます。それぞれのリビングルームをまったく別のテイストの空間とすれば、新しい生活のシーンがどんどん発見できるでしょう。

ただし、2つのリビングルームと、個室とを単純に廊下で連結するだけの安易なプランは避けたほうが良いでしょう。むしろリビングルーム自身を積極的に通り道(動線)にすることがポイントです。リビングルームは、あくまでも家族のコミニュケーションスペースなのですから。


3. 設計事例「海のいえ、風の工房」

 
では実際につくった作品事例を見てみましょう。

海のいえ、風の工房

 
 
2階は、天井の高い開放的なリビングルーム。
これだけでも素敵ですね。

 
そして、1階には玄関を兼ねた土間。
薪ストーブのある、第2のリビングルームです。

 
リビング機能だけでなく、階段や玄関という「動的な機能」を兼用させているところがポイントです。


4. 設計事例「ハウス・ハックルベリーフィン」

もうひとつ、ご紹介。

ハウス・ハックルベリーフィン

 
2階は、大きな窓のあるリビングルーム。
向かいの公園の緑を借景しています。

 
そして1階の土間。
通路を兼ねた「通り庭」のようなリビングスペースです。
小さなテーブルと椅子を置いて過ごしたり、趣味のスペースとして活用できます。

 

上の2つの作品、どちらも「土間」をつかったデュアルリビングです。
そして1階と2階、テイストをかなり変えてデザインしています。それぞれ違う過ごし方をしたくなりますね。

プランニングのコツとしては、通路や玄関など家族が必ず通る場所と兼用して「リビング機能」をもたせて、他の空間と連携させて広々とさせること。
それそれの空間に「動き」を与えることがポイントです。


5. 土間のある家・作品集

 
エスでは「土間のある家」として、大小いろいろなタイプのデュアルリビングを設計しています。
詳しくは作品集ページをご覧ください。

「土間のある家」エス作品ページ
http://www.sp-n.gr.jp/category/saku/doma

デュアルリビングの家
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